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「走ることについて 語るときに 僕の語ること」

村上春樹・・・

この長ったらしいタイトルは村上春樹のエッセイです。
ぼくはこのタイトルに惹かれこの本をもとめましたが、しばらく読まないままでした。
今週に入り、なんだか急に「文字」が読みたくなり、三冊目にこれを手に取りました。

こんなにこの人が、「走る」人なのだとは思ってもいませんでした。
フルマラソンだけでなく、100kmレース、トライアスロンなども実践しています。
最初、ゆるやかな読みはじめだったのが、急にむさぼるように読み出したのは
その走る「理由」についての文章にとても心が震えたからです・・・・。

「誰かに故のない非難をうけたとき、あるいは当然受け入れてもらえると
期待していた誰かに受けいれてもらえなかったとき、ぼくはいつもより少しだけ
長い距離を走ることにしている。
いつもより長い距離を走ることによって、そのぶん自分を肉体的に消耗させる。
そして自分が能力に限りある弱い人間だということをあらためて認識する。
いちばん底の部分でフィジカルに認識する。
そしていつもより長い距離を走ったぶん、結果的には自分の肉体を
ほんのわずかであるけれど強化したことになる。
腹が立ったら自分にあたればいい。
悔しい思いをしたらそのぶん自分を磨けばいい。
そう考えて生きてきた・・・・・・・。」
         村上春樹  「走ることについて 語るときに 僕の語ること」から引用

ああ、わかる・・・。その気持ち。
心が痛んだとき、肉体をも消耗させたいと思う。
そこでバランスをとりたいと、思う。
体の消耗は、とても「実感的」。
曖昧でなく、具体的に「痛み」を感じられる。
それでバランスがとれれば、心だけバタバタして、落っこちていかないでいられる気がする・・。

それにしても、走りたくなる・・・・本です。
そして「村上春樹」の他の小説も、もっと読みたくなりました。

残念ながら今週は風をこじらせ、軽い「肺炎」診断。
いやはや、体の免疫力がめっぽう落ちています。
ショボくなったものです・・・。
走ることなどまったく無理で、いや、若きころには少々の病気など運動すれば治る・・
などと豪語していたのが気恥ずかしい限りで・・・・。

来週にはぜひとも・・・・。

# by hwindlife | 2007-11-17 01:22 | 好きなこと大切なこと  

スパムむすび

思い出の「味」
スパムむすび_f0158239_044590.jpg

ずいぶん昔から、それはハワイのABCマートに置いてありました。
グァムやサイパンでも同様に置いてあります。
でもなんだかおむすびを小ばかにしたような商品であるような気がして
食べてみることはしませんでした。
ぼくは食べるものにも結構保守的で、チャレンジはしません。
でもその「スパムむすび」は、21世紀になりたてのころハワイでウィンドで合宿した際
後輩が「ハワイでなによりも一番うまいっす!」と何度も言うから
試しに食べてみたのです。

細長い樽状のおむすびの上に、スパムがのっかって、海苔で巻いてあります。
ごはんにはあまり味はついてないけれど、スパムの強い塩味とのバランス取れていて
なんとも美味しい!
ぼくはそれからこれのファンになり、家にはスパムの缶詰がいつも置いてあるのです。

これを夜食で食べれば、マウイを思い出します。
ビーチハウスで、来る日も来る日も、手のひらの皮がめくれてしまうまで
ずっとウィンドサーフィンで海に浸かっていたときを思い出します。
なんとか「夢」の先を繋ごうと、もがいた自分を思い出します。
ちょっと懐かしい、しょっぱい思い出の味です・・・・・。

あ・・・そういえば、少し前、オアフの友人家族と過ごしたときスパムむすびを
いっぱい作りました。
子供達は大好きで、息子も大喜びでした。
どんだけ作っても、どんどんとそれはなくなりました。

ハワイには、スパムを「スパムむすび」用の厚さで均等に切る特別なカッターもあると聞きました。
簡単にこれができる優れもの。
「スパムむすび」機、欲しいなぁ。

「スパムむすび」
そう、これはもうメジャーなジャンクフードなのです・・・・・。

うーん、今日もとってもスパムむすび、美味しい!

# by hwindlife | 2007-11-16 00:24 | 好きなこと大切なこと  

ギューッとして・・・・

息子を抱きしめる

平日はなかなか息子と遊ぶ時間もなく、一緒にお風呂に入ることもままなりません。
だから最近、ぼくは時折、息子をギューッと抱きしめます。
ある人に、子供をいつもギュッと抱きしめてる・・・・そう聞きました。

「おいで。ギューッするから・・・」
そしてぼくはしっかりと抱きしめて、そして耳元で囁きます。

「大好きだよ。愛してるからね。」

息子もまんざらではない顔をして、小さな声で答えます。
「かいちゃんもパパ、だいすきだよ」

息子から「ギューッてして」と要求されることもあります。
ぼくは嬉しくて、しばらく強く、そうします。
なんともいえない、心のやりとりが、ぼくを癒してくれます。
息子への素直な愛の表現が、仕事で頑なになった心を和らげてくれるようです。

大好きだよ・・・・愛してる・・・・・
息子に「愛してる」の意味がわかるとは思えません。
でも、感覚的に、それがぼくの息子への強い想いであることは、なんとなく伝わっています。
ちょっと照れくさいけど、ずっと囁き続けていきたいものです・・・・・。

# by hwindlife | 2007-11-15 01:18 | 息子とのこと  

サクリファイス

サイクル・ロードレース
サクリファイス_f0158239_1302570.jpg


本屋でちょっと気になる表紙の小説を見かけました。
タイトルは「サクリファイス(犠牲)」。
これは自転車ロードレースを舞台にした、青春ミステりー・・・と帯にあります。
表紙の写真は流れるようなロードレースの風景。
すぐにもとめて、読み出したのは言うまでもありません。
自転車・・・好きですから・・・・。

250ページあまりのそんなに長くない小説です。
一気に読みました。
いえ、短いから一気に読めたのではありません。
自転車レースシーンの描写に惹かれ、その中でのレーサーの思いに惹かれ・・・・。
夢中で読んだから一気だったのです。
読んだあと、こんな清清しい気持ちになった小説は、いままであまり記憶にありません。
読み終わってしまうのが、少し寂しかったくらいです。

ヨーロッパではメジャー・スポーツのサイクルロードレース。
そのかけひきやチームプレーはとてもゲーム性が強く、知れば知るほど見るのが楽しくなります。
チーム内の一人のエースを勝たせるために、先行して飛び出して相手チームを揺さぶる。
勝たせるひとりのために、自分がフィニッシュできなくなるほどに「足」をつかい
マークし、牽制し、最後にエースをゴールへ送り込む。
そのアシストの選手の心情を中心に描かれているから「サクリファイス」なのです。
自分がトップになれなくても感じる強い達成感。
人間にはいろんなタイプがいて、それだからチームになったとき大きな力が生まれる。
そんなことを感じさせてくれました。

ヨーロッパのレースは多くが山岳地域で行われ、起伏と変化に富んだコース設定に
戦略も多彩になります。
知れば知るほど面白い「サイクル・ロードレース」。
「ツールド・フランス」などは、それの最高峰です。

自転車は一番美しい乗り物だと思っています。
その中でロードレースバイクは、速く走るためだけの、究極のシンプル。
無駄をそぎ落とされて、しなやかな人間の筋肉のような細いフレーム。
特にヨーロッパのメーカーの自転車は美しいと感じます。
大好きなのは「ビアンキ」。
あの淡い緑と細くしなやかなフレームに痺れます。

ぼくはいま、北海道を共にしたツーリングバイクと、黒いカーボンフレームのロードバイクを
眺めています。
いつかまた、ツーリングにも出かけたいし、あの黒いバイクでレースにも出てみたいものです。
それには、ぼくの体もシンプルに仕上げておかねばなりませんが・・・・・。

# by hwindlife | 2007-11-14 01:28 | 好きなこと大切なこと  

自転車記念日

自転車乗れた!!
           

4歳の息子は、一ヶ月前から自転車の側輪を取って練習していました。
練習・・・といっても、ほんの数回です。
ぼくが後から押して、足を離して「ダーッ!」と惰性で走る。
バランスをうまく取れて走っていたから、ペダルをつけても走れると信じていました。
でも、無理強いしてはいけない・・・。
コケて、怖くなって、トラウマになっちゃたらまずい・・・。
だからちょっと慎重に間合いを取っていました。

今日、雨上がりの公園。
自転車を持って公園に向かいました。
二人とも風邪気味で、それに夕方だったからちょっとだけ練習・・・・。
そんな軽い気持ちで。

「ペダル回してごらん」
そう言いながら後から軽く支えていると、なんだかうまく自分でバランスがとれているのが
わかりました。
しばらく支えながら、時折支えていた手を離し。
彼は自分で漕ぎながら、左右に体を振ってバランスを取って、どんどんと進んでいきました。

「やったーーー!」とぼく。
「かいちゃん うまくのれてた?」
「うん!かっこよかったよ!」
「もういっかいやる!」

得意げな息子はそれから何度も自分でペダリングして、しっかり側輪なしで
自転車に乗ることができるようになったのでした。

今日は息子の「自転車記念日」。
ぼくは自分でなにかを達成するより、嬉しいことがあるのだと今更ながらに感じました。

# by hwindlife | 2007-11-11 22:57 | 息子とのこと