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夜明けの「青」

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五ヵ所湾でのレッスンの間の休息日。
深夜、ぼくは音がない入り江に、深く吸い込まれるような思いでいた。
先ほどまで聞こえていた虫の声も、いつしか聞こえない。
風も止まったようで、ルーズに張ったリギンすら、少しも揺れない。
ぼくは暗いキャビンの中で、ひとり眠れず、息をひそめる。
船をとりまくこの時間、空間を、ぼくはただ何も思考せず、じっと、感じている・・・・。
そう、メディテーションしているかのような感覚。

ぼくはキャビンの出口から、空の色を見つめる。
漆黒だった空は、つかの間、目を離したすきになのか、濃い藍に変わり
みるみる青さを増してきた。
ゆっくりとキャビンを出て、コクピットに座る。
マリーナ全体が、青く染まっている。
この青は、夕暮れのそれとは少し違う・・・そう思った。

真夏の、猛暑を記録する時期なのに、船をとりまく空気は少しひんやりとしている。
まわりの多くの「緑」が、息をしているからだろうか。
海が、冷たいのだろうか。

いつの間にか、空から星たちが姿を消していた。
これから始まる「夏日」が、同じつながった時間とは思いがたい、特別な「とき」だった。

by hwindlife | 2010-08-20 22:07  

「BIG WEDNESDAY」・・・・・刹那な生きざま

先日、映画「BIG WEDNESDAY」をDVDで見ました。
それは今、ゆっくりと読み進めているジェリー・ロペスの本に、その映画に出演した・・・・
というくだりがあったからです。
懐かしく、それでいて仔細は忘れてしまっていて、また観てみたい・・・そう思ったのです。
十年以上もはるか昔、一度ならず何度か観たはずです。

波乗りをすることがにライフスタイルの中心の若者の生きざまを描いたストーリー。
シンプルな話だけれど、だからこそ今観ても、色あせて感じません。
それどころか、少し刺激される部分もあって、あらためて名作なんだなって感じました。

若き頃、刹那的な生き様に憧れました。
その瞬間にすべてを燃焼しつくすような生き方。
その大切な「一瞬」がたとえその先に意味をなさなかったり、マイナスになろうとも
そんなことに囚われない・・・・・。
無駄に長く生きるより、短く熱く生きたい・・・・・そんな風に思っていました。
それが「BIG WEDNESDAY」では対象がサーフィンであり、あの頃のぼくにとっては
クライミングでした。
一瞬の恍惚に出会うために、すべてをそれに賭ける・・・・・。
そんな生き方は「大人」になることによって、失ってしまう・・・そうも思っていました。

でも・・・・知らぬうちにクライミングにも「打算」を持ち込んでいる自分がいました。
これを登れば有名になれる、そうすればあのスポンサーについてもらえる、そして
あの行きたい山にもいける・・・・。
瞬間に生きたかったはずなのに、クライミングに打算を持ち込んだ自分に気がついたとき
ぼくは登る意味を見失いました・・・。
あのとき、ぼくはある意味「子供」と「大人」の狭間にいました。
大人になんかなりたくない・・・そうずっと思っていたのに、世間の常識や慣習に流されて
なってゆく自分がいました。
キライな「大人」になってゆく自分がいました。

強く、自分に失望しかけました。
それを打ち消すためにも、大きな自分に対する問いかけが必要でした。
自分を試し、打算的な自分を否定するためにも、ギリギリのところに自分をおく必要が
あったのです。
結果・・・・ぼくは、その山で負け、二度と帰ることができないほどの「傷」を体と心に
受けてしまいました。
だから・・・・山を想うと、懐かしさと哀しさと、そして少しだけの悔しさが今でも心の奥に
残っています。

人生のターニングポイントをとっくに超えたいま。
ぼくはまた、あの頃の刹那的な生き方に憧れています。
あの頃のように、エッジに自分を置くことができないとしても・・・・・です。
もう人間としては、いらぬことをたくさん心に蓄えてしまっているから
なかなか純粋になることが難しい。
でも、好きなこと、綺麗なもの、キライなこと、こだわりたいもの、そんなことをいつもしっかり
感じながら、流されず生きてゆきたいものです。

好きなことをして生きてゆくことは難しい。
でも、なんのために生きるのか、なんのために自分がいるのかを思い起こせば
そうしていくしか道はない・・・・・そう思うのです。

「BIG WEDNESDAY」では青年たちが社会に紛れてゆく狭間を描いています。
紛れてゆくときは、なんだか「夏」が終わってしまったときのように寂しい。
でも人はきっと、その概念的な「大人」から、また再び「子供」に戻ってくるのが自然のような
気がします。
歳を重ねた末、また子供の純粋な心に戻ってゆき、瞬間を大切にする生き方ができる。
そうであったら素敵だと、思います。

残された「時」を大切にするために・・・・。

by hwindlife | 2008-11-28 00:48  

さくら と さくら

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いつもの散歩道。
風にハラハラと舞い散る花びらは、雪のようです。
さくら・・・はそれを不思議そうに見上げていました。
こうしてさくらと桜を、これから何度観ることができるだろう・・・・・。
そう思ったら、今、このときが、かげがえのない大切な「時」なのだとあらためて気がつきました。

by hwindlife | 2008-04-03 23:23