子供の「本分」、大人の「本分」

ある中学生の子供をもつ親御さんが「子供の本分は勉強だから・・・」と
言った言葉に妙にひかっかりました。
もちろん、その人も勉強ばかりすることが子供にとって大切だと
思っているわけではないと思うのですが、クラブ活動が少なくなり
みんな学習塾へ通うのが当たり前の此の頃、子供たちの「本分」はやはり勉強なのだと・・・・。
昔の子供の「本分」は勉強と遊び。
「よく遊び、よく学べ!」とよく言われました。
遊びの範囲は広くて、楽しいことならなんでもよかった。
クラブ活動での活躍は、とても大切なことだったし、放課後の友達との「遊び」は創造性に
富んでいた。
子供たちの中では、勉強が出来ることよりもスポーツができるとか、遊びがうまいやつほど
「格」が確実に上だった・・・・・。
子供にはいろんな個性があります。
勉強が好きな子供、スポーツが好きな子供、工作が好きな子供、絵を描くのが好きな子供・・・・。
もちろん最低限の基本教育は必要でしょう。
でもそれもほんとうに「最低限」でいい気がします。
若き人間の基本能力を活性するために必要な最低限の能力。
それさえできれば、その先の選択肢は子供たちに委ねていくことが自然であると感じます。
大人のぼくたちは、その選択肢をたくさん見せてあげること、そしてその「個性」の後押しを
してあげること・・・・。
楽しい・・・が基本の遊び的部分を尊重することが、きっと大切です。
もちろん、そこには「怠け」との微妙な境界線が存在するのですが
その部分の判断がちゃんとできるか、してあげられるかという事にも「大人」の存在意義はある。
そしてその「大人」は、自分にもあてはめてそれをちゃんと理解できないと
子供たちに伝えられないのです。
子供と大人・・・と区別してしまうけれど、ほんとうはそんなことすら無意味かもしれません。
大人の本分はなに?
よく仕事をし、よく遊ぶ・・・・・。
自分の個性を尊重して、楽しいことを大切にする。
なんだ、子供と同じじゃないか・・・・・。
勉強と仕事が入れ替わっただけじゃないか。
これもまた「怠け」との境界線が難しいけれど、ほんとうに楽しいことは結構努力が
必要なんだと思い出せば、容易に判断できるかもしれません。
仕事と遊びのバランス、そして遊びが生み出す個性、エネルギー、仕事への好循環。
無心に遊ぶ息子の後姿を見ながら、子供の本分などということを思っていたら
「自分の本分はなに?」という問答に知らぬ間に変わりました。
ぼくは無心に楽しめてるかな・・・・・これからはどうかな・・・・・と。
少なくとも「無心」という部分では、息子に負けちゃっている今のぼくです・・・・。

by hwindlife | 2007-12-09 01:55 | 息子とのこと